トマホーク
トマホーク、それは中間弾道距離ミサイルの名であり、斧を真下に振り下ろす様を表現した名でもある。
その様は美しく、直角に落ちることからも、綺麗な縦型残像が残る程であるのだ。
だが、まさか僕が実際にトマホークなるものを見るときが来ようとは、予想にもしていなかった。
僕は前はパチ屋でクルーを2年ほどやってたんですが、いまは寿司の配達をしています。もうそれも2年ほどになり、やっぱりですね、配達してると一応様々な場所で様々な人に会うわけじゃないですか。
そして様々な事が起きる訳じゃないですか。
今回はその内の一つなんですけど。
僕がまだ入り立ての頃に、とある場所から出前が入ったんですよ。
それがいかにも怪しい感じで、『社長室』って名前のとこなんですね。
それで、まぁ寿司も出来て、出発しました。場所は街中、かなり繁華街。
大体、僕は街があまり好きじゃないんですよ。
だってね、怖いんですよ。黒服のにーちゃんとか、ナースのお姉さんとか、道に迷っちゃったのかなんなのかよくわからんスチュワーデスとか。
ほんで、『ぶっこ抜き天国』とか、もう名前からして、あそこごとぶっこ抜かれるんじゃないのかと思うくらい物騒な名前があちらこちらに出てる。
その中で僕が入るビルは、表に『乗馬クラブ』って書いてあるんですよ。ああ、乗馬するとこの社長さんの部屋に持っていくんだなって、そう思ったんです。
そりゃさぞかしセレブな人々が集まるビルの社長だ。失礼のないようにせなあかんな、とか色々考えて、エレベーターに乗り込む訳です。
そのうち、気づいたんですね。『社長室』ないやんって。
明らかに一つのビルにいっぱいおっぱい色んなクラブやらラウンジやらがぎゅうぎゅう詰めで、その中に乗馬クラブもあったんだけど、写真がおかしいんだよね。
いや、男が女にまたがっとる写真が堂々とでとる。しかも男も女もめっちゃ笑顔や。
さすがに僕も、いい年ですから、察するわけですよ。
『ああ、ここは違うお馬さんに乗るとこなんだな』って。男も女も笑顔で乗馬。
ヒヒーンっていうのかわからんけど、笑顔で裸で乗馬。
日本経済が傾いて、大震災とか災害で危機に陥ってる地域があっても、笑顔で乗馬なんです。それが僕の街なんですね。ある意味、逆境を苦にしない、素晴らしいポテンシャルを秘めてる、我が街。
まぁでもそんなことはどうでも良くて、『社長室』がない。
社長さんが住んでるとこなんだから一番てっぺんだろうと、最上階にいったんやけど、あったのは乗馬クラブ。
確かにここにも社長さんはいるかもしれないけど、やっぱり何か違う。
んで、良くみてみるわけですよ。そしたらあるじゃないですか。サンサンと輝く看板に『社長室』って。
ああ、そう言うことかと思い、社長室なるクラブに入ります。
「こんちはー寿司の配達でーす」
「おー、来たか、まあはいりーや」
社長室に上がる僕。うん、社長らしいのは一人もいねえ。
みんな部長とか課長みたいな中間管理職でいっぱいおっぱいのおっさんみたいな人だらけでした。
なーんだ、緊張して損したと思い、注文いただいたお客さんのとこへいくわけですよ。そしたら出てきたお客さん、社長さんとかそういうレベルじゃない。
(´Д`)組長や
もう、明らかに~社とかじゃない、~組関係の人やと分かるんですよ。
社長とかそういう人間の頂点レベルをさらに超えた、そういう存在。
「おー。ごくろうやったな、まぁそこにおけや」
僕もバカじゃないから逆らってはいかんと、素直に置きました。
「~円になります」
はよ勘定してもらって帰ろう。そう思ったときでした。
「あ?兄ちゃん、わしゃ納豆巻きたのんだんやで。こりゃ鉄火巻きやないかい」
Σ(゚Д゚)まじで???
もうパニックですよ。納豆巻きじゃなくて鉄火巻き持って来ちゃった。
「す。。。すいません!すぐにお取り替えしましょうか!?」
ブルっちゃった僕はもう、人としての最下層までレベルが下がったサルのように平謝り。すると組長
<B>
殴られた
その時思ったんですよ。絵では上手く表現できてないけど、縦型げんこつやったんですね。
ああ、これがトマホークかと。
残像が美しいな、と。
そんなこんなで、泣きながら乗馬クラブを通って帰りました。
今も笑顔で乗馬してるのかな・・・。
その様は美しく、直角に落ちることからも、綺麗な縦型残像が残る程であるのだ。
だが、まさか僕が実際にトマホークなるものを見るときが来ようとは、予想にもしていなかった。
僕は前はパチ屋でクルーを2年ほどやってたんですが、いまは寿司の配達をしています。もうそれも2年ほどになり、やっぱりですね、配達してると一応様々な場所で様々な人に会うわけじゃないですか。
そして様々な事が起きる訳じゃないですか。
今回はその内の一つなんですけど。
僕がまだ入り立ての頃に、とある場所から出前が入ったんですよ。
それがいかにも怪しい感じで、『社長室』って名前のとこなんですね。
それで、まぁ寿司も出来て、出発しました。場所は街中、かなり繁華街。
大体、僕は街があまり好きじゃないんですよ。
だってね、怖いんですよ。黒服のにーちゃんとか、ナースのお姉さんとか、道に迷っちゃったのかなんなのかよくわからんスチュワーデスとか。
ほんで、『ぶっこ抜き天国』とか、もう名前からして、あそこごとぶっこ抜かれるんじゃないのかと思うくらい物騒な名前があちらこちらに出てる。
その中で僕が入るビルは、表に『乗馬クラブ』って書いてあるんですよ。ああ、乗馬するとこの社長さんの部屋に持っていくんだなって、そう思ったんです。
そりゃさぞかしセレブな人々が集まるビルの社長だ。失礼のないようにせなあかんな、とか色々考えて、エレベーターに乗り込む訳です。
そのうち、気づいたんですね。『社長室』ないやんって。
明らかに一つのビルにいっぱいおっぱい色んなクラブやらラウンジやらがぎゅうぎゅう詰めで、その中に乗馬クラブもあったんだけど、写真がおかしいんだよね。
いや、男が女にまたがっとる写真が堂々とでとる。しかも男も女もめっちゃ笑顔や。
さすがに僕も、いい年ですから、察するわけですよ。
『ああ、ここは違うお馬さんに乗るとこなんだな』って。男も女も笑顔で乗馬。
ヒヒーンっていうのかわからんけど、笑顔で裸で乗馬。
日本経済が傾いて、大震災とか災害で危機に陥ってる地域があっても、笑顔で乗馬なんです。それが僕の街なんですね。ある意味、逆境を苦にしない、素晴らしいポテンシャルを秘めてる、我が街。
まぁでもそんなことはどうでも良くて、『社長室』がない。
社長さんが住んでるとこなんだから一番てっぺんだろうと、最上階にいったんやけど、あったのは乗馬クラブ。
確かにここにも社長さんはいるかもしれないけど、やっぱり何か違う。
んで、良くみてみるわけですよ。そしたらあるじゃないですか。サンサンと輝く看板に『社長室』って。
ああ、そう言うことかと思い、社長室なるクラブに入ります。
「こんちはー寿司の配達でーす」
「おー、来たか、まあはいりーや」
社長室に上がる僕。うん、社長らしいのは一人もいねえ。
みんな部長とか課長みたいな中間管理職でいっぱいおっぱいのおっさんみたいな人だらけでした。
なーんだ、緊張して損したと思い、注文いただいたお客さんのとこへいくわけですよ。そしたら出てきたお客さん、社長さんとかそういうレベルじゃない。
(´Д`)組長や
もう、明らかに~社とかじゃない、~組関係の人やと分かるんですよ。
社長とかそういう人間の頂点レベルをさらに超えた、そういう存在。
「おー。ごくろうやったな、まぁそこにおけや」
僕もバカじゃないから逆らってはいかんと、素直に置きました。
「~円になります」
はよ勘定してもらって帰ろう。そう思ったときでした。
「あ?兄ちゃん、わしゃ納豆巻きたのんだんやで。こりゃ鉄火巻きやないかい」
Σ(゚Д゚)まじで???
もうパニックですよ。納豆巻きじゃなくて鉄火巻き持って来ちゃった。
「す。。。すいません!すぐにお取り替えしましょうか!?」
ブルっちゃった僕はもう、人としての最下層までレベルが下がったサルのように平謝り。すると組長
<B>
殴られた
その時思ったんですよ。絵では上手く表現できてないけど、縦型げんこつやったんですね。
ああ、これがトマホークかと。
残像が美しいな、と。
そんなこんなで、泣きながら乗馬クラブを通って帰りました。
今も笑顔で乗馬してるのかな・・・。