食べる事に感謝しようよ
農場で、お昼過ぎに豚舎を覗いてみると、みーんな眠っているんですね。
豚の世界で、お昼寝の時間が決まっているかのように。
そんで、ちょっと横を通ると、うっすら目を開けてこっちを見るんです。
だけど、やっぱり眠たいから、徐々に目が閉じてきて、すやすやと眠っちゃう。
そんな豚を見て、僕は可哀想になった。
体一つやっと入りきる柵に、囚人の様に入れられ、真っ直ぐしか見ることも出来ず、
眠るか、立つか、飲むか、食べるかだけしか許されていない。
それ以上のものは何も与えられない。
糞尿まみれになって、だけどそこで眠るしかない。
食べるものだって、人間が決めた量しか喰えないし、水だってそう。
これさ、俺たちだったらどうよ?気が狂うよ。
きっとふざけんな!!って言って、文句タラタラ言うに決まってる。
でも、豚は文句を言わない。いや、言ってるのかもしれない。
あの眠たそうな目で、『人間はいいな。今度は人間に生まれ変わりたい』って。
雌豚が動くことを許されるのは、交配するときだけ。
それも交配が終わればまた檻の中だ。
人間で言えば、自由も何もない、慰安婦みたいな存在だ。
そして、子供を産まされ、授乳期間が終われば、また交配させられる。
そうやって、子供を産み続ける。
その可愛い子供達が、全て僕たちに食べられるとも知らずに。
食べられる為だけに産まされる親と、産まれる子供。
だけど、それがこの世界だし、それを否定するつもりもないです。
けどね、知って欲しいんです。
僕たちが食べるものは、何かの命の犠牲のもとで成り立っている。
だから、せめて、感謝しよう。
今日もまた、親の知らない何処かでたくさんの豚が殺されているんだから。